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無残無残の成れの果て※R18・BL

4S+の某ENDからAエンドに繋がるまでの補完SSです。
当然、ネタバレ満載・BL近親相姦要素有り・鬱要素全開でR18ですのでお気を付けください。
下げておきますので、大丈夫な方はスクロールしてお読みください。

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//ここまで

 

荒い息遣いと共に、萎えたものが自身の内からずるりと引き抜かれる。
何度も経験した行為の筈なのに、まるで初めて経験したかのようだ。
――頭の中は、真っ白だった。
今日はクリアが成人になる日で、沢山あいつの好物を作って、笑い合って、穏やかに一日が終わるはずだった。
けれど、クリアの淹れてくれたほうじ茶の中に入っていた睡眠薬で俺は眠らされ、気がついたら――犯されていた。
「……ごめんなさい」
頭上から、声が降ってくる。ひどく平坦な声だった。
「幾ら謝ってもきっと許しては貰えないけれど、……ごめんなさい」
一体、今何が起こってるんだ?
本当は分かっている。分かっている、けど。
「警察に行きます」
――その声に、一気に視界が晴れた。
「強姦したから。それに、近親相姦です。今から直ぐに行って――」
俺は、噛みつくようにクリアの唇を奪った。こつんと歯が当たる。自分でも情けなるくらいに、下手くそなキスだった。
「……ベルさん?」
「……お前、何を言ってるんだ?」
「え?」
「最初から合意の上だっただろ? 初めてだから上手く出来なくて、落ち込んでるのか? だったら気にするなよ。俺は全然、気にしてないから」
「……何を、言ってるんですか? 俺は貴方を強姦――」
「してない」
「しました」
「してないよ。俺も、お前が好きなんだ。性的な意味でな。お前と同じで、ずっと我慢していただけだ」
「……嘘だ」
「嘘じゃない」
もう一度、下手くそなキスをした。今度は、歯が当たらなかった。
「愛している、クリア」
「……別に気を遣わなくてもいいんですよ?」
「気なんて遣ってないよ。もう決めた。お前を誰にも渡さない。俺だけのものになって貰う」
「俺が言うのもなんですけど……正気ですか?」
「正気だよ。俺たちは相思相愛だ。でも、この国ではきっと生きづらい。だから、二人でどこか遠い国へ行こう。何もかもを捨てて」
「アルフィーネさんは、どうするんですか?」
「……あいつは関係ないだろ」
「大好きなくせに」
「あぁ、そうさ。でも、もういらない」
「え?」
「お前を手に入れる為なら全てを捨てる。もう、アルフィーネは、いらない」
自分で口にしておきながら、目の奥が熱くなって、胃液が逆流しそうだった。視界がちかちかと明滅して、胸には焼き切れるような痛みが広がる。
「本気ですか?」
「本気だよ。もう、お前しかいらない。……なぁ」
「……はい」
「キス、してくれよ。お前から。俺は下手なんだ」
「……そうですね。とても下手くそで……可愛いです」
かぷ、と唇を奪われて、激しく舌を絡めとられる。ホンット、最低なキスだな、これ。
「んっ……お前、また……勃って……」
「……すみません。ほっといてください」
「ほっとかない。もう一回、するか?」
「……体がきついでしょう?」
「いいや。これも親の務めだよ。いいから、おいで」
「いえ、でしたら、その……せめて……手とか、で……あ、嫌ですよね。やっぱり、いいです」
「別に。俺ン中に入ってたもんだからいいよ」
そう言って、いざクリアのそれを直視する。
それから、恐る恐る触れた。
――怖かった。抵抗があった。体が拒否していた。昔させられていたことを、思い出した。

けれど、もう後戻りはできない。

だから、後はもう何も考えずに下手くそな手淫をした。

クリアが飛行機は苦手だというので、船で海路を使うことにした。
特に何もすることもないし、「相思相愛」の男同士がすることと言えば、セックスだけだった。
「んぐっ、はぁ、んっ……あっ、んんっ……」
今日も今日とて、大事に大事に育ててきた宝物に犯される。
その背徳感に確かに興奮している自分もいて、最低だなと感じる。
毎日何度も何度も体を重ねて、俺の体はすっかりクリアの欲望の形を覚えたし、たっぷりと悦楽を教え込まれた。
「はぁ、はうっ、んっ……クリア、クリ、ア……っ」
「んっ……どう、しました?」
「……キス……」
「……はい」
唇が触れた、かと思ったら舌が直ぐに絡みついて来て、俺の中の余計な思考を奪う。
激しく突かれながらするキスは見事に脳を溶かしてくれて、なんだかもう何もかもどうでもいいやって気持ちにさせられる。
「んっ、くちゅっ……ちゅぱっ、れろっ、んっ……くちゅっ、ちゅるっ……」
――あぁ、気持ちがいい。こんなに気持ちいいなんて、凄く凄く不安だ。
誰か痛みを与えて欲しい。心は既に麻痺しきっているから。

情事の後、クリアは子どものように――いや、俺からすればまだまだ子どもなのだが――すやすやと眠りについた。
――俺は今、一体何をしているのだろう? ここから、どこへ向かうというんだろう?
大切で大切で大切で仕方なかったものまで捨てて、どこへ行き、何をする?
考えても仕方がないことばかりを考えていると、本格的に胃液がせり上がって来て、慌ててユニットバスに駆け込んだ。
「おえっ……ぅく、かはっ……」
トイレに吐いた。胃の中のもの、全て。
あぁ……、良かった。心が痛い。不安じゃない……。
「……ベルさん?」
心配そうな声とともに、クリアがユニットバスに入ってくる。
「大丈夫ですか?」
さすさす、と優しく背中を撫でられた。込み上がる愛情。けれど、それが愛や恋なんて類のものじゃないぐらい、とっくの昔に分かっている。
「ん……平気だ……昨日食べた貝に当たったのかもな……」
「それは大変です。船医を呼んできましょう」
「あー、いや。待て待て。平気だから……少し寝ていれば落ち着く。一緒に寝てくれるか?」
「……それは勿論、一緒に寝ますけど……でも、本当に大丈夫ですか? 顔、真っ青ですよ」
――顔って、誰の顔のことだよ。誰の顔のこと、言ってるんだよ。思わずそう言いかけて、留まった。そうだ、クリアは何も知らないんだ。クレスのことも、何も。

だからこそ、俺はクリアを選んだんだ。

俺はクリアに手を引かれ、優しくベッドに寝かされた。
シーツは既に換えてあって、柔軟剤の香りがする。
傍らにクリアも並んで、手を探るとちゃんと捕まえて貰えた。
「大丈夫。ここにいますよ」
「……うん」
そして、頭を優しく撫でられた。
「いいこ、いいこ」
そんな風に言われるのも、実は昔からずっと望んでいたことだった。
甘えさせて欲しかったし、他の誰かと重ねてなんて欲しくなかったし、偉いと褒めても欲しかった。
なんたる軟弱の極み。けれどもう、どうにもできない。
「もう寝ちゃってください。俺も、きっと寝てしまうと思います」
「そう、だな……お前となら、夢の中でも……一緒、だもんな」
「はい。いつでも一緒です」
こつん、と額を合わせて抱きしめられた。
それに、なんだか奇妙に既視感を感じて――。
……あぁ。

子どもの頃、アルフィーネと一緒に寝ていた時に、良くこうしていたんだ。

「う――げほっ! ぅおぇっ……」
俺は、また吐いた。

「しよう」
翌日、朝食を採った後に誘ってみた。
「無茶しないでください」
「してないよ。俺がしたいからするんだ」
「嘘つきですね。無茶ばっかりしてる癖に」
「そうだよ。俺は、嘘つきだ。罰でも与えてくれ」
「昨日散々吐いていた人に、罰など与えません」
「いいから。しよう」
「本当はしたくなんてないくせに」
ずぶり、と、胸の奥までナイフが刺さった。
あー、痛いな。気持ちいいな。大好きだよ、この感触。
「したいよ」
「どうして欲しいんですか?」
「失神するほど気持ち良くなりたい。なぁ、いいクスリ貰ったんだよ。お前の知らないところで、勝手に男と会話して手に入れたんだ」
「嫉妬でもさせたいんですか?」
「してくれないのか?」
「しますよ」
かぷ、と唇を奪われた。
「正直なところ……もう、犯されるのを想像するだけでイけるレベルではあるんだがな……」
「淫乱とか罵って欲しいんです?」
「いいな、それ。たっぷり罵ってくれよ」
「嫌です。それにそれ、誉め言葉だと思います」
「ははっ、そうかそうかぁ……」
と、俺はクリアの首に腕を回した。そして、至近距離でこう囁く。
「――いいから、とっとと抱けよ」

その日も一日中セックスをして、気がついたら俺は気を失っていた。
目覚めた時、傍らにクリアは居なかった。
俺の体は清められていて、きちんと衣服も着ていた。ベッドもシーツが換えてある。
――少しだけ胸騒ぎがして、俺は部屋を飛び出した。

クリアは甲板に居て、欄干にもたれかかりながらボンヤリと夜の海を見つめていた。
ほっと安堵しつつ、隣に並ぶ。
「……急にいなくなるなよ。ビックリしただろ」
「もう、隣に並ばなくていいですよ」
「……え?」
「ベルさん、寝言言ってました」
「……寝言?」
「『アルフィーネ』、って」
「……………………」
静寂に、波の音がざぱんと映えた。
「もう、大丈夫です。俺は一人で構いません。ですから……次の港で、お別れしましょう?」
「嫌だ」
「アルフィーネさんのところに、帰ってあげてください」
「――嫌だ!!」
珍しく、大声を出していた。自分でも、酷くみっともない顔をしている気がした。
「もう……戻れない。いや、戻らない」
「いいえ。まだ、戻れます。戻れるはずです」
「俺は、戻らない。死んでも、戻らない。戻れというぐらいなら、殺せ」
「……貴方には、アルフィーネさんの方がきっといいですよ」
「あいつのことなんて、もういらない」
「……また、吐きそうになってますね。顔も真っ青だ」
「お前以外は……何も、要らない。望まない」
「……困っちゃいます」
クリアが夜空を見上げる。頭上には、爛々と輝く星々と満月が座していた。
「いらない。アルフィーネなんていらない。もう必要ない。お前しか欲しくない。いらない。いらない。いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない」
もう吐く寸前だった。ぶっ倒れそうだった。脳裏に浮かぶ「あいつ」の愛しい笑顔を必死に黒く塗り潰した。
いっそ、あいつを殺してから国を出ればよかった。そうすれば、何もかも永遠になった。心残りなどなくなった。

――けれど、俺にあいつを殺すことなど絶対にできない。

「……わかりました」
溜息をつきながら、クリアが俺を抱きしめた。
「幸せには出来ません。酷いことも沢山します。でも、誰より貴方を愛しています。ずっと傍にいますよ、『父さん』」
「……クリア……」
もう、名前を呼ぶことしかできなかった。
「……したい。して欲しい。犯しまくってくれ」
「はい。しましょう。また気を失うくらい、沢山」
「……あぁ」
自らクリアの手を握り、それからゆっくりと歩き出した。
「……すまない」
「どうして、ベルさんが謝るんですか?」
「全てが自業自得だからだよ」
「……早く、部屋に戻りましょうか。クスリ、俺も買いましたよ。きっと何もかも忘れられます」
「……いい子だな」
「悪い子に決まっています」
「愛している」
「知っています。それが、恋愛感情ではないことも」
部屋に辿り着き、二人してベッドに飛び込む。
「……今は、何もかもを忘れましょう」
「分かっている。だから、早く……滅茶苦茶にしてくれ」
「はい。貴方が望むままに」
――そうして、今夜も最低なキスを交わす。
それから、恋人ごっこを延々と続けるんだ。どれだけ不毛と分かっていても、やめられはしない。

だって、全ては俺の自業自得なのだから。

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